【医療現場を守る消防設備】病院や医療機関の消防設備の役割や重要性について

防災情報
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病院など医療機関における消防設備点検の重要性

火災というものは、いつどこでどんな時に発生するか分かりません。また、日本は地震大国とも呼ばれており、自然災害と合わせて通電火災などの二次災害が発生してしまう可能性も高いです。

そんな日本における病院などの医療機関での消防設備というのは、非常に重要なものとなります。そして、医療機関ということでその設置基準も厳しく、以下に大切かということが伺えます。

本記事では、医療機関における消防設備点検の重要性や設置基準について解説していきます。

1. 医療機関における消防設備の設置基準は?

2013年に福岡市の診療所において発生した火災による死亡事故の事例を受けて消防庁においては、診療所および病院における火災対策の検討がおこなわれました。

このニュース見たとき驚いたわ…

犠牲者がえらい多く(死者10名、負傷者5名)でたんよな…

ここまで被害を大きくした原因は、建築の安全性も確認せずに増築して

消防設備の不備も多かったにも関わらず改修しなかったこと。

命を守ってくれる施設が、安全を確保できてなかったなんて…

そうだね。医療機関は災害弱者とされる方が多く出入りする場所。

だからより一層しっかり対策しなければいけないね。

もっと詳しく見るなら国土交通省が出した総務省消防庁の資料を見てね!

 

この事故から、入院施設を有するすべての医療機関において消防設備の設置基準の見直しがおこなわれることとなりました。そして2016年には、医療機関における消防設備の設置基準が大幅に見直されるかたちとなったのです。法令改正後の変化を簡単にまとめると、入院施設のあるすべての医療機関に「スプリンクラー」「消火器」「火災通報装置」の設置の義務付けということです。

いかなる小さな病院や診療所においても、少しの入院設備があれば必ず、消防設備を設置しなければならないということになります。なお、スプリンクラー、消火器、火災通報装置における消防法改正前の設置基準は下記の通りです。

1-1.改正前

スプリンクラー

 延べ面積3000㎡以上の病院

 延べ面積6000㎡以上の有床診療所

消火器

 延べ面積150㎡以上の医療機関

・火災通報装置

 延べ面積500㎡以上の医療機関

1-2. 改正後

・スプリンクラー

 避難のために患者の介助が必要なすべての病院および有床診療所

 患者の条件に関わらず、3000㎡以上の有床診療所

 基準面積1000㎡未満であれば、施工が簡易的なスプリンクラーの設置が可能

・消火器

 すべての医療機関

・火災通報装置

 すべての医療機関(特例適用も廃止)

2. 2013年の福岡市診療所火災の詳細

前述においてもご紹介をしたように、2013年における福岡市での診療所火災では死者10人となってしまうほど、診療所の火災としては非常に大規模な火災となってしまいました。

こちらの入院設備のある診療所においては高齢者も多く、亡くなった10人の方すべてが高齢者ということでした。しかも亡くなられた方のうち7人が、要介護認定を受けていたことが分かり、避難状況としては非常に厳しいものであったということが伺えます。

・出火原因は?

診療所処置室内の電源プラグのショートが出火原因である可能性が高いとの見解が発表された。

電源プラグのショートによる火災は、病院などの医療機関に限ったことではありません。一般の家庭でも起こりうることなので、十分に注意が必要です。特に医療機関においては、大量の電子機器が使われているのでコードが絡み合ったり、過剰な電気使用にならないようにすることが大切です。

この報告書を見れば詳細が書いてるよ!

3. 医療機関における消防設備点検の重要性とは?

前述にてご紹介をした福岡市における診療所火災の原因として考えられるのは以下の3つです。

・今回のような小さな診療所が消防法において消防設備点検および設置の対象となっていなかった

・防火扉が正常に作動していなかった

・自動火災報知設備以外のすべての消防設備が正常に作動していなかった

消防法において、消防設備点検および設置の対象となっていなかったというのが1番の原因であると考えられます。それにより、定期調査報告などもされておらず、防火扉の点検等も適切におこなわれていなかったため、大規模火災につながりました。

今回の火災においては自動火災報知設備以外の消防設備が作動せず、防火扉も正常に作動しなかったことにより、火炎が上階へ到達してしまうスピードが非常に早かったため、延焼が拡大してしまったとされています。このことから、いかに消防設備点検が重要かということが伺えます。

いかがでしたでしょうか?

本記事では、

・医療機関における消防設備の設置基準

・2013年の福岡市診療火災の詳細

・医療機関における消防設備点検の重要性 について、まとめてみました。

どの建物も消防設備は重要です。しかし、医療機関においては特に高齢者の方からケガをしている方までさまざまな方が出入りする建物です。そうなると万が一、前述でご紹介をしたような火災が発生した場合、不測の事態が起きます。そこで大切になってくるのが、日々の消防設備点検です。

消防法の改正がなされ、どのような規模の医療機関であっても消防設備の設置が義務付けられました。このようになったことで、消防設備が常に万全の状態になり、どんな事態にも対応ができるようになったと言えるでしょう。

消防設備の重要性を常に考え、誰もが安心して過ごせる医療機関にすることが大切です。

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