目次
安全な街と呼ばれる日本社会の闇
また今回もえらいタイトルつけて…何が闇なんや⁉︎
今回は「安全な街」や「安全な建物」と呼ばれている日本社会について
消防法の観点から見てみよう
さっそく質問!消防法ってそもそも何やったっけ?
まずは消防法から解説するね
1. 消防法ってソモソモなに⁈
消防法とは、消防機関の活動や権限、消防設備等の設置や義務、規制などについて、基本的な事項を定めており、第一条に以下が記載されています。
第一条 この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するととも に、火災又は地震等の災害に因る被害を軽減し、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資す ることを目的とする。
簡単に説明すると、火災を予防し、命や建物の財産を守る法律だよ!
なるほど!命を守ってくれる法律か!
そうだね!でもこの安全な法律を違反している人が多い現状がある…
今回はこの部分を日本社会の闇と表現したんだ
1-1. 消防法の闇とは…
消防法の中には、建物内の“ 命を守る ”消防設備の設置、および定期的な点検について管理点検しなければいけないという法律があります。(消防法第17条)
また、消防用設備等を設置することが義務づけられている建物の関係者(所有者・管理者・占有者)は、設置した消防用設備等を定期的に点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告するが義務があります。
さっきから何か法律のこと説明してくれてるけど、何が闇なんや⁈
あとでしっかり説明するから、もう少し待って!
この法令点検(消防設備点検)の理解が大切だからね!
はーい
消防設備をおさらいすると…
建物内で火事が発生した時に、サイレンで危険を知らせてくれて、避難する際の誘導のサポートもしてくれる。また初期消火もできる設備を消防設備って言うんだ!
おさらいしてくれておおきに!
ここでタイチョーに質問‼︎
消防設備点検は6ヶ月に1回しないとだめだけど
この消防設備点検の実施率ってどれぐらいだと思う?
命を守る設備の点検やろうから、ほぼ100%じゃないとおかしいよな…?
でもその数字は無理やろうから、80%ぐらいちゃうかな…⁇
総務省消防庁が出した資料を見てましょう。総務省消防庁 予防課設備係 令和2年7月6日
2. 建物2つ中1つが違法…?
どういうことや?
なんやこの数字…‼︎
報告実施率が50%⁈
そうだよ。消防設備点検をすれば防災屋さんが消防署へ報告する書類を作成してくれるから、それを提出すればいいだけなのに、提出されていない建物が50%程度ということ。つまり、点検自体をしていないのではないか!ということがこのデータから見て推測できるよね。
怖い…でも、少し理解するのが難しい…
遠回しせんと、もっと分かりやすく説明してや…
要するに、建物内で火事が発生すると、
その建物内にいる人たちが犠牲になる可能性が極めて高い状態であるということだよ!
でも、点検をせーへんだけで、誰かが亡くなったりせーへんやろ…
そんな事例とかないやんな…⁈
2-1. 消防設備の不良による事故事例
ケース①
火災報知機を直さず死亡火災 介護施設経営者を消防法違反(消防設備設置維持命令違反)の罪で略式起訴した。
消防本部は、この施設の受信機が故障し、報知機が正常に作動しないとして同法に基づく改善命令を出した。しかし、期限の10月までに改善せず、12月18日には居室1室が焼け、男性(当時68)が死亡する火災が発生した。
愛知県蒲郡市消防本部予防課「報知設備が改善していたら、尊い命が救われたかもしれない。今後も迅速かつ、厳正に対処していく」と発表した。
ケース②
広島県福山市西桜町1のホテル「プリンス」から出火、4階建て延べ約1400平方メートルを全焼し、隣接の美容室を半焼した。宿泊客7人が死亡し、ホテルの女性従業員(75)と客2人の計3人が重傷を負った。
主な被害原因としては、自動火災報知設備が一斉作動しなかったことにより、被害が拡大したとされています。
ケース③
地下駐車場の恐怖、CO2放出の消火設備誤作動で4人死亡。東京・ 新宿区のマンションの地下駐車場で天井の張り替えを行っていた作業員の男性6人が中に閉じ込められ、1人は自力で外に出て無事だったが、4人が死亡し、1人の男性も重体という惨事に見舞われた。現場からは通常の空気中の濃度の数百倍に当たる二酸化炭素が検出されたということで、駐車場の消火設備が何らかの原因で誤作動した可能性があるとみて調べているという。
もうやめて。犠牲者のこと考えたら消防設備点検の重要性は十分わかったから…
数百件以上火事に行ってきたけど、本当に火事から命を守るのは難しい。
だからこそ、命を守る手助けをしてくれる消防設備の設置や点検はマストなんだよ。
日本って安全な建物ばっかりだと思っていたけど、怖いわ…
住んでるマンションや子供を通わせてる幼稚園とか大丈夫なんかな。
今回の日本の闇とは、点検報告率の低さからくる建物内の安全が担保されていないところだよ!
3. 安全な日本社会の実現のために
消防用設備点検報告とは、消火器やスプリンクラー設備、自動火災報知設備などの消防用設備が、火災の際に正常に作動しないと人命にかかわることから、定期的に点検し、管轄する消防署へ報告する制度です。
①消防設備の点検の種類と頻度は?
- 6カ月に1回の機器点検と1年に1回の総合点検を行う必要があります。
機器点検:外観又は簡易な操作による確認をする点検
総合点検:実際に消防設備を作動させ、総合的な機能を確認する点検
[参照 平成16年5月31日消防庁告示第9号]
②消防設備の報告の頻度は?
- 建物の用途によって決められた期間ごとに提出する必要があります。
・特定防火対象物 1年に1回の報告
(用途例:物品販売店舗、ホテル、病院、飲食店など不特定多数の人が出入りする建物)
・非特定防火対象物 3年に1回の報告
(用途例:工場、事務所、共同住宅、学校、駐車場等)
[参照 消防法施行規則第31条の6]
③面積が小さい建物の点検はいらない?
- 消防法で必要な消防設備が設置されている場合には建物の規模に関わらず、点検・報告が必要となります。
4. 最後に…
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