浸水の深さと浸水の可能性は!?
日本は毎年多くの災害が発生していますが、近年被害が拡大している中の一つに「水害」があります。
台風や大雨で排水が追いつかず用水路や下水溝などがあふれて浸水したり、堤防が決壊して洪水が発生しています。
そのような洪水で水に覆われることを「浸水」と呼び、浸水した水の深さのことを「浸水深」と呼びます。
浸水深がどのくらいの深さなのかによって、建物への被害や、歩行の難易度が変わってきます。
今回はその「浸水深」について、水位基準や想定区域について解説していきます!
1.浸水深
浸水深とは、浸水した地点の地面から水面までの高さのことです。
浸水深が深いほど水害による被害も大きくなる傾向にあります。
平成30年7月豪雨では西日本全域に被害をもたらしました。(2018年7月31日時点)
◆死者263人
◆行方不明者8人
◆負傷者484人(重傷141人、軽傷343人)
◆住家の全壊6783棟、半壊1万1346棟、一部破損4362棟、床上浸水6982棟、床下浸水2万1637棟
◆公共建物の被害720棟、その他の非住家被害6100棟
特に被害の大きかった岡山県倉敷市真備町では、最大で5m近くまで浸水深が達しました。
※洪水により、道路や農地が水で覆われることを「冠水」ということもあります。
2.浸水深の水位基準
一般的に「床上浸水」と「床下浸水」は、浸水深が0.5mが境界となることが多いです。
また浸水深が2mを超えると1階部分が水に浸かってしまい、5mを超えると2階の屋根まで到達してしまいます。
(引用:国土交通省HP)
浸水深と避難行動の関係については、水の流速や歩行能力(高齢者や障害者)により変わりますが、一般的に膝の高さである50cmを超えると水中を歩くことが難しいと言われています。
車の場合、30cmを超えるとマフラーが水没して排気ができなくなってしまうので、エンジンが停止する可能性があります。
足のくるぶし程度の浸水深なら避難可能と判断するとええで!!!
3.避難困難事例
<0.5mの水深で大人でも避難が困難になった事例>
【東海豪雨】平成12年…東海豪雨水害時にゴムボートなどで救助されて避難した時の浸水深は膝の高さ程度
【伊勢湾台風】昭和34年…伊勢湾台風で避難した人のアンケート結果では、浸水深が大人の男性で0.7m以上、女性で0.5m以上の場合に避難が困難だった
【関川水害】平成7年…関川水害における調査結果によると、浸水深が膝(0.5m)の高さ以上になると、ほとんどの人が避難困難だった
4.避難時の注意
◆正確な情報収集&早めの避難
テレビ、ラジオ、インターネット、SNS等で最新の気象情報、災害情報、避難情報を取得しましょう。
危険を感じたら、早めの避難をしましょう。
◆動きやすい格好
持ち物はリュックで、手は自由にさせ、長靴ではなくひものついている運動靴で避難しましょう。
◆氾濫した水は勢いが強い
氾濫した水の流れは、想像以上に勢いが強いです。膝程度の水深だと、大人でも歩くのが困難です。
緊急避難として、頑丈な建物にとどまることも選択肢の一つです。
◆氾濫した水は濁っている
氾濫した水は、茶色く濁っています。水路と道路の境や、ふたが開いているマンホールの穴は、見えないので足元は大変危険です。
やむを得ず水の中を移動するときは、傘や長い棒で足下を確認しながら移動しましょう。
5.浸水想定区域図
浸水による被害を防ぐためにはできるだけ早く避難することが重要ですが、事前にどの地域が浸水する可能性があるのかを確認しておくことも必要です。「浸水想定区域図」で確認するのが良いでしょう。
これはわかりやすくて良いな!
(国土交通省HP参照)
浸水想定区域図を参考にすることで、浸水の可能性を事前に把握することができます。
ただし、浸水想定区域図で危険と判定されていないから自分の住んでいるところは避難しなくても大丈夫!と過信することなく、災害の状況に応じ、常に情報の取得と早めの行動をこころがけましょう!
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