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老人ホームの消防設備の重要性について
2006年に長崎県にて、認知症の高齢者老人ホームで深夜に火災が発生し、7人の方が亡くなるという大規模火災が発生しました。この火災の影響もあり、翌年の2007年には、消防法が改正され、2009年の4月から施工されることとなりました。
被害が大きくなった原因は以下のとおりとされている。
・火気管理が適切でなかった
・火災発生後の職員の対応が適切ではなかった
・職員の仮眠場所が適切でなかった
・避難訓練が実施されていなかった
・消防署への通報に時間がかかっ た
・火元と考えられるソファが防炎加工品ではなかった
・居室の窓が腰窓であった
・火災報知設備がなかった
・スプリンクラーが設置されていなかった
・住宅地から離れた立地であったため近隣の協力が得られなかった
・消防水利(公設消火栓)までの距離が遠かった 等
これもえらい大きなニュースになってたよな…
ほんでこの事故の影響もあって消防法が変わったってびっくりやわ‼︎
難しかったら理解できひんから簡単に教えてやー
今日も大事なことを伝えるから最後まで一緒に頑張ろうね!
この消防法の改正によって、今回のような小規模老人ホームの場合であっても防火管理者を選任し、それぞれの施設に適した消防設備も設置をすることが義務付けられました。老人ホームの利用者および、そこで働く方々の安全を守るために改正された法律となります。
本記事では、老人ホームにおける消防設備と合わせて、防火管理者についても解説をしていきます。
1. 老人ホームにおける消防設備の設置義務とは?
前述にてご紹介をした消防法の改正によって、各消防設備の設置義務の基準が下記のように変更になりました。
・改正前
スプリンクラー設備
・延べ面積1000㎡以上の施設
消火器
・延べ面積150㎡以上の施設
自動火災報知設備
・延べ面積300㎡以上の施設
火災通報装置
・延べ面積500㎡以上の施設
・改正後
スプリンクラー設備
・延べ面積275㎡以上の施設→全ての施設(平成27年改正)
消火器
・すべての施設
自動火災報知設備
・すべての施設
火災通報装置
・すべての施設(平成27年改正により自火報の連動が義務)
このように改正後に関しては面積による制限がほとんどなくなり、すべての施設に消防設備を設置するようになったことが分かります。
なるほどなー。
おじいちゃん、おばあちゃん、障がいのある方が出入りする施設は
どの建物よりも安全じゃないといけないからね!(参照)
2. 防火管理者
防火管理者というのは、老人ホームや病院などといった多数の人が利用する建物において火災等による災害を防止するため、防火管理についての消防計画を作成し防火管理上必要な業務(防火管理業務)を計画的に実行していく人のことを指します。なお、防火管理者として業務をおこなうには資格が必要になります。
この防火管理者は、改正前の消防法においては小規模施設は対象外となっていましたが改正後の消防法では、たとえ小規模施設であっても防火管理者を選任しなければならないようになりました。
2-1. 防火管理者の主な仕事
防火管理者においては、下記のような業務が課せられています。
・消防計画の作成および届出
・消火および通報と避難訓練の実施
・消防設備の点検および整備
・火気の使用および取り扱いに関する監督
・避難および防火上必要な構造と設備の維持管理
・収容人数の管理
・その他防火管理をするうえで必要な業務
2-2. 防火管理者の資格
防火管理者の資格取得条件は以下のようになっています。
・都道府県知事、消防長、総務大臣の登録を受けた法人が実施をする防火管理者資格講習を修了した者
・防火管理者として必要な実務経験を有する者
2-3. 管理権原者とは?
管理権原者とは、防火管理者の上司にあたる防火管理の最終責任者になります。防火管理の必要な施設の管理についての権原を持っている人を管理権原者といいます。より分かりやすく解釈すると、施設の代表者や経営者がそれにあたります。
3. 老人ホームにおける消防訓練の重要性
記事の冒頭でもお話をさせて頂いた通り、老人ホームにおける消防設備等の充実は非常に大切です。しかし、設備を充実させただけでは、火災時の対策としては不十分です。老人ホームなどで実際に過ごしている方々の災害に対する心構えや避難方法、初期消火訓練、通報訓練、誘導訓練等実践に近い対策が重要になってきます。
消防士の方が消防訓練できてくれたときに、同じこと言うてたわ‼︎
頭で覚えて、体を動かすは消防の基本だからね!大切だよ!
3-1. 消防訓練
老人ホーム等の施設における消防訓練についても規定が設けられていて、この消防訓練については前述にてご紹介をした防火管理者の仕事となります。
・防火管理者は消防訓練を年に2回以上、実施をしなければならない
・消防訓練をおこなう場合は、事前に消防機関に連絡をしなければならない
3-1-1. 消防訓練の流れ
消防訓練の流れについては、大まかに下記のような流れとなっています。
1.施設内の人に対して火災が発生したことを周知
2.火災が発生した場所の逃げ遅れの確認及び避難
3.初期消火の実施と防火扉の閉鎖
4.避難介助及び誘導
5.消防機関への通報
6.入居者の安否確認
7.消防車の交通誘導及び状況報告
このような流れでより実火災に近い消防訓練をおこない、事前に避難の流れについて確認をしておくことが非常に重要です。特に老人ホームなどの場合だと、高齢者や病気がある方、障がいがある方も多いため予測できない事態が起こる可能性も十分に考えられます。そのような不測の事態も考慮して、定期的に消防訓練をおこなっていくことが大切です。
4. まとめ
老人ホームや障がい者施設などといった施設の場合は、予測できない事態が発生すると思っておいてください。最悪な事態に陥らないようにするためにも、消防設備の点検の充実をはかり、防火管理者を中心に施設全体で安全対策に取り組む必要があります。
あの時、ああすれば良かったと思わないように、皆さんの施設でも実施してください。
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参照サイト
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/7415/documents/leaflet.pdf
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