1. マンションの消防設備点検はどんなことをしている?
マンションに住んでいれば定期的に必ず、お知らせの入る消防設備点検。
消防設備点検の際は、在宅していなくてはならない場合も多いので面倒と感じている方も多いのではないでしょうか?
しかし、消防設備点検は万が一、実際に火災が発生してしまった場合に対応をするために必要な点検となります。
そこで本記事では、マンションにおける消防設備点検とはどのようなものかご紹介していきます。
確かに、消防設備の点検ってどんな点検をしているか全然知らんわ!
今回は、マンション入居者の方にとっての消防点検について
より深く知ることができるよ!
1-1. マンションにおける消防設備点検の種類
マンションにおいては火災が発生をした場合に備えて、マンションの廊下や部屋内にいたるまでさまざまな場所に自動火災報知設備や消火器、スプリンクラー設備まで色々な消防設備が設置されています。
これらの消防設備はただ設置をしておけばいいというわけではなく、実際に火災などが発生をした際に正常に作動するということが重要です。
マンションにおける消防設備点検では、これらの消防設備が確実に作動するか、故障はしていないかをチェックするための作業となっています。
消防法においても、これらの消防設備の設置に加えて継続的な維持管理と、管轄の消防署への報告が義務付けられているためマンションの管理者は消防設備点検を怠ることはできません。
なお、消防設備点検は2種類あり、合計で年2回の点検がおこなわれます。
では具体的に消防設備点検ではどのようなことをチェックしているのでしょうか?
1-2. 具体的にどんなことをしている?
機器点検(6ヶ月に1回)
こちらの機器点検では主に、消防に必要な設備が適切な場所に設置されているかどうか、機器の有効期限切れなどの問題が発生していないか、外観に変形や腐食はないかなどのチェックをおこないます。
実際に、消火器の老朽化により消火器が破裂し、死者が3名もでているんだよ。
詳細は消防庁が出しているここを確認してね!
3人も…
僕のマンションは子供たちが多く住んでるから、しっかり点検して欲しいわ…
マンションに設置されている下記のような消防設備のチェックがおこなわれます。
・消火器
・屋内消火栓
・非常ベル
・自動火災報知設備
・スプリンクラー設備
・避難はしご
総合点検(1年に1回)
こちらの総合点検においては、上記の消防設備がすべて正常に作動するかどうかも含め、総合的なチェックもおこなわれ、部屋内の消防設備の点検もしっかり行われます。
マンションの入居者の方々には、お部屋に在宅してもらう必要があり、約10分程度の点検時間が発生します。
僕の部屋に「火災報知器の消防点検です!」と入ってきてたのはこれか!
点検の日程については事前にお知らせがありますが、点検についてはマンション管理会社と防災会社とでスケジュールの調整が必要になってきます。住んでいる方が不在だと勝手に部屋内に入って点検をするということはできないので、居室内の点検実施率を上げるためには事前調整がとても重要です。
どうしても予定が合わない場合は、後日改めて点検ということにはなりますがマンションによっては再点検を受けられない場合もあるので注意が必要です。
なお、総合点検においては機器点検のチェック項目に加えて、作動点検が入ってきます。
<総合点検内容の一例>
・避難経路に設置されている機器がきちんと作動するかどうか
・スプリンクラー設備がきちんと作動するかどうか
・防火シャッターがきちんと作動するかどうか
・避難はしごが正常に降下できるかどうか
・自動火災報知設備がきちんと煙に反応するかどうか
・屋内消火栓の放水が正常かどうか
1-3. 入居者の方が消防設備点検を拒むとどうなる?
これまでのご説明で、消防設備点検においてはさまざまな細かい項目をチェックしていることがお分かり頂けたらかと思います。
確かに面倒なことも多い消防設備点検。入居者が面倒でも必ずやらなければならない理由とはなんなのでしょうか?
<危険デメリット>
・火事が発生した時に逃げ遅れる可能性が極めて高い
・規約違反になる可能性もある
(国土交通省ではガイドラインとして「マンション標準管理規約」というものが用意されています。多くのマンション物件がこのガイドラインに沿って運営をおこなっているのです)
マンションの標準管理規約においては、管理のために必要な状況においては部屋内への立ち入りも認められ、住んでいる方はこれを不当には拒否できないと定められています。
消防設備点検においては確実に管理のために必要なことですので、これを正当な理由もなく断った場合は規約違反になる可能性があるのです。最悪のケースの場合、退去勧告を受けてしまう可能性もあるので消防設備点検は必ず受けることをおすすめします。
また火災が発生した場合、責任問題になる可能性もあります。
通常、万が一、自分の部屋において火災を発生させてしまった場合でも基本的には罪になることはありません。
しかし、消防設備点検を受けていなかった場合は別です。仮に消防設備が正常に作動をしていたとしても過失を問われる可能性があるのです。
さらに万が一、消防設備が正常に作動しなかったとなると、これは明らかに消防設備点検を受けなかったことが原因となるので確実に重過失に問われる可能性があります。
損害賠償金も数億になり、死傷者が出た場合にはそれ以上の罪にも問われることもあります。
いかがでしたでしょうか?
本記事では、
・マンションにおける消防設備点検の種類
・消防設備点検は具体的にどんなことをしている?
・入居者が消防設備点検を拒むとどうなるか
について、まとめてみました。
マンションにおける消防設備点検は非常に重要なものです。
実際に火災が発生してからでは遅いので是非、皆さんも本記事を機会に消防設備点検の重要性について再確認してみてはいかがでしょうか。
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